社内における派遣社員の評価としては、勤続年数が長い場合でも新入社員より評価は低いのでしょうか?
ある会社で派遣社員として仕事をしている女性は、何もしない正社員のために自分たちは仕事をされているのですよ、と話をしていました。この女性は、出産するために3年前に退職しました。育児にそれから専念していましたが、昔の人事部の同僚から、もし仕事をしたいのであれば、同じ部署で契約社員として仕事ができると言われて、会社に復職しました。正社員の頃と比較すると、2割ほど年収は下がったそうです。しかしながら、育児と仕事の両立を図るためには派遣社員の方が都合がいいと判断したそうです。
この女性の話によると、「このような立場になる前は、実は正社員が怠慢であるということが分かりませんでした。正社員の時は、自分の仕事が終ると残業をしないですぐに帰る派遣社員を、正直言って腹立たしく思うこともありました。しかしながら、逆の立場に自分がなってみれば、真面目に派遣社員の方が仕事をしていることに気がつきました」ということです。
非正規社員は、雇用スタイルが不安的であるために真面目に仕事をしています。一方、雇用が保障されている正社員は、手抜きをしているのです。このような正社員は、近年、職場のタダ乗り問題ということで注目されています。
例えば、台車を移動する場合、人数が多くない場合には必死に一人ひとりが押さないと、全く動きません。しかしながら、人数が多い場合には、台車は力を一人くらい入れなくても動きます。しかも、手を抜いているのは誰かということが一見したのみでは分かりません。手抜きをしている人は、会社の規模が大きくなってくると、どのような会社でも出てくるものです。手抜きをしている人が、賃金を非正規社員よりも多くもらっている正社員であるとすれば、ふざけるなと非正規社員は愚痴を言いたくもなるでしょう。
非正規社員が広まった初めの頃は、昇給や昇進などのチャンスがないため、手抜きする場合が多くあるのではと心配されました。しかしながら、非正規社員の場合は、仕事ぶりを評価してもらえないと契約更新がない場合も実際にはあるため、一生懸命に仕事をします。一方、正社員の場合は評価が良くないということで、すぐに解雇になるのはほとんどありません。そのため、手を抜く可能性は正社員の方が大きいというような調査結果もあるそうです。